- 94 :名無しさん 09/09/23 00:25 ID:20XX48FgOP (・∀・)イイ!! (2)
- 本拠地、神宮球場で迎えた広島戦
先発石川が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
球場に響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年はCSもう無理だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、石川は独りベンチで泣いていた
最優秀防御率で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のヤクルトで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」石川は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、石川ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」石川は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、石川はふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した石川が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように東京音頭が響いていた
どういう事か分からずに呆然とする石川の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「カツオ、投球練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った石川は目を疑った
「い・・・岩村さん?」 「なんだ石川、居眠りでもしてたのか?」
「ふ・・・古田監督?」 「なんだ石川、かってに古田さんを引退させやがって」
「稲葉さん・・・」 石川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:飯田 2番:宮本 3番:稲葉 4番:ペタジーニ 5番:古田 6番:岩村 7番:ラミレス 8番:土橋 9番:石川
暫時、唖然としていた石川だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった 「勝てる・・・勝てるんだ!」
古田からグラブを受け取り、グラウンドへ疾走する石川、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている石川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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