ID:W88n0GL4s6 (・∀・)ｲｲ!! (3)

「カルカ国へ」#106227で「志願する」と答えた方への質問でした。

　隊員たちはシェルター内のラウンジに案内されました。
　そこで楊　美雨は語り始めます。

楊「モリタポ号との交流会の後、私たちは順調に航宙を続けていました。あの日までは……」

☆　　　　☆　　　　☆

　その日、天竜の展望ドームに大勢の人が集まっていた。ドーム内には酒や料理が用意され、ドーム中央のスクリーンではカウントダウンが刻まれている。そんなお祭り気分の中、楊　美雨もドーム内に足を踏み入れた。

「はあ。無限に広がる大宇宙か」

　声の方をふり向くと、一人の少年がドーム上を見上げていた。そこにあるのは一面の星空。

楊「どうした？」
少年「太陽はどっちでしょう？」
楊「それなら、あれよ」
　
　楊の指差す先には、小さい黄色い星があった。十二光年先にある、故郷。太陽。


少年「僕達、あんな小さな星から来たのですね」
楊「ホームシック？」
少年「違います。モリタポ号が見えないかなと思って」
楊「いや、無理だろ」
少年「船体は無理でも、もう減速を始めているはずだから、プラズマコア対消滅エンジンの輝きが見えるかと思ったのだけど」
楊「ん？　これは」

　楊は少年の持っていった写真を覗きこんだ。少年と同じ年頃の美少女が、写真の中で微笑んでいる。

楊「モリタポ号との交流会で会った女の子ね。もう、あきらめたらどう？　君はふられたのだよ」
少年「ま……まだ、ふられたと決まったわけじゃ」
楊「いやいや。『お友達でいましょう』は、『お断りします』と同じ意味だよ。君はふられたのだ」

　その時、カウントダウンがゼロになった。
　天竜号は今、タウ・セチの太陽風と銀河放射線がせめぎあうヘリオポースを通過したのだ。
　アナウンスが流れる。

『天竜号はたった今、タウ・セチ星系に入りました。それでは皆様、到着を祝ってかんぱーい！』

　ドーム内の人達が一斉に『カンパーイ』と叫んだ。

　この時、彼らはまだ知らなかった。天竜号の行く手に恐ろしい敵が待ち構えているとは……

☆　　　☆　　　☆　　　☆

　天竜号で行われていた祭りは、恒星間宇宙船が目的地の恒星系の太陽圏(ヘリオスフィア)を通過した事を祝う架空の行事です。
　この祭りに名前を付けるとしたらどれがいいでしょうか？

1	太陽圏祭	19	(22.4%)
2	ボウショック祭	8	(9.4%)
3	ヘリオポーズ祭	19	(22.4%)
5	長い！	2	(2.4%)
6	後で掲示板に書く	14	(16.5%)
7	モリタポ	3	(3.5%)
8	バウショック祭*	4	(4.7%)
9	ヘリオスフィア*	4	(4.7%)
10	任意*	10	(11.8%)
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